ネイティブスピーカーの単語力〈3〉形容詞の感覚 (Native speaker series)ポール・クリス マクベイ /大西 泰斗
研究社 刊
発売日 2003-07
かなり高度な形容詞解説書 2006-05-06
英語とのつきあいはかれこれ30年以上になるのですが、形容詞というのがなかなか使いこなせません。もちろん「red(赤い)」とか「blue(青い)」といった類いのものには苦労を感じませんが、cleverとsmart、ambiguousとvagueといった形容詞にはその微妙な差異を測りかねることがたびたびです。
本書はそうした類似の形容詞を集めて、それぞれの単語からネイティブ・スピーカーが受け取るイメージについて平易に解説した書です。
たとえば「曖昧な」という意味をもつambiguousとvagueでは、前者では「bi(2)」が常に意識されて「2つの可能性が理解を難しくしている」一方、後者はその「情報そのものがぼやけていて理解ができない」ことを意味している、と解説します。
またlargeとbig、smallとlittleなど、頻繁に使う可能性があるのにそれぞれの差異について無自覚であったものも取り上げられていて、大変勉強になりました。それぞれ前者が「感情的色彩が感じられない、サラっとした語感」をもつのに対し、後者は「感情ののる、豊かな広がりのある」単語だとのこと。言われてみればそんな感じがします。だからShe has a big heart.とかWhat a lovely little boy you are!と言うのが自然で、それぞれlargeやsmallと入れ替えがきかないというのもうなずけます。
ただしこの本は中高生が教科書でお目にかかることはめったになさそうな高度な形容詞も多数取り上げています。たとえば「辛らつな」を意味する単語として本書はacrimoniousとacrid、そしてpungentを取り上げていますが、どれもあまり目にしない単語ですから、その違いを説明されても単語を覚えるのに精一杯でなかなか微妙な差異までにわかには飲み込めないでしょう。
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